基板材料と配線形成


今回は、電子回路基板に使用されるいろいろな種類のプリント基板材料について、またどのように配線形成をするかについて触れたいと思います。

<目次>
基板材料のお話
 リジッド基板材料
 フレキシブル基板材料
 高周波基板材料
 無機基板材料
配線形成の方法
配線基板印刷キット

<基板材料のお話>

プリント基板材料といわれるものには、多種多様なものがあります。プリント配線板として使用されている代表的なものとしては、リジッド基板フレキシブル基板があります。また、両タイプを組み合わせたリジッドフレキシブル基板もあります。

◎リジッド基板材料
リジッド基板材料に多く使用される樹脂基板として、紙フェノール基板やガラスエポキシ基板などがあります。これらの基板材料は、工具による加工とレーザによる加工が可能です。片面基板、両面基板、多層基板などの種類があり、部品を内蔵することもあります。
紙フェノール基板は、非常に安価で主に片面基板に使用される材料です。めっきによるスルーホールはほぼ不可能で、リード部品の実装が多い基板に使用されます。比較的反りが発生しやすい材料で、FR-1FR-2などのグレードがあります。
ガラスエポキシ基板は、片面基板、両面基板から多層基板まで幅広く使用されている材料です。一般的にガラエポ基板と呼ばれているものです。ガラス繊維が含まれているため非常に硬く、耐久性が非常に高い材料です。FR-4FR-5などのグレードがあります。最近は、高周波特性をテフロン基板同等近くまで高めたFR-4基板もあります。CEM-3(ガラスコンポジット)基板は、FR-4と同様に幅広く使用されていますが、ガラエポ基板より安価で少し硬さが劣ります。
テフロン(フッ素)基板は、ガラエポ基板に比べ高周波特性に優れており、アンテナ高周波基板に多く使用されます。ガラス繊維が含まれていないため、とても柔らかく曲がりやすい材料です。ただ、材料費用が非常に高く、スルーホールめっきには特殊な前処理が必要です。PTFEとも呼ばれています。
メタルコア基板は、主に放熱効果を高める必要のある大電流基板や照明関係の基板などに使用されています。その中でもアルミベース基板は比較的安価です。高い熱膨張係数があるのが特長でガラエポ基板の5倍以上の優れた放熱性を持っています。使用する電流によっては、通常よりも厚い導体を使用することもあります。専用の工具を使用して、切削加工も可能です。

◎フレキシブル基板材料
フレキシブル基板は、ポリイミドなどのフィルムをコア材とした屈曲性のある基板のことをいいます。切削やレーザによる配線加工は困難なため、通常はダイレクト露光やエッチングにより配線を形成します。外形加工穴あけ加工には切削やレーザによる加工が可能ですが、非常に薄い材料のためレーザ加工が向いています。主に、接着層がある3CCL材が使用されますが、屈曲性を高めた接着層のない2CCL材もあります。リジッド基板同様、片面基板、両面基板、多層基板などがあり、部品を内蔵するものも出てきています。一部、透明性のあるPETPENを使用する場合もあり、高周波特性に優れ屈曲性のあるLCP材料も増えてきています。近年は、ベースフィルム厚及び導体厚が非常に薄くなってきています。

◎高周波基板材料
アンテナやレーダーなどに使用する高周波向け基板は、基板材料による伝送時の損失が大きいため、伝送線路における損失、誘電体損失を低減する材料を使用する必要があります。信号の伝搬速度は、誘電率が低くなるほど速くなるため、高速伝送向けにおいては低誘電率低誘電正接の材料が用いられます。一般的なFR-4基板の誘電率は4.0以上と言われていますが、テフロン基板(PTFE)の誘電率は2.5以下と非常に低いです。前述したLCP材料の誘電率は3.0前後と言われています。一部の多層基板では、内層には通常のFR-4を使用し、表面のみ低損失材料を使用する複合型の材料が使用されることもあります。

◎無機基板材料
代表的な無機材料であるセラミック基板には、アルミナセラミックスや窒化アルミ、ジルコニアなどが含まれます。低温で焼成したLTCC基板や高温で焼成したHTCC基板があります。高い放熱性高い耐熱性を持ち、誘電損失が低いことから、アンテナパッケージやセンサパッケージ、高周波モジュールなどに使用されています。回路形成は、印刷法やめっき法で行います。非常に硬いため工具による加工は不可能です。レーザ加工においても、熱の影響によりマイクロクラックが発生しやすいです。焼結前のグリーンシートは機械加工が可能な柔らかさです。

<配線形成の方法>
基板の配線形成方法は、大きく分けてサブトラクティブ工法とアディディブ工法の2つがあります。サブトラクティブは『減算していくこと』を意味し、アディディブは『加算していくこと』を意味します。
サブトラクティブ法は、エッチングなどにより不要な導体を除去し配線を形成します。レジストを使用して不要な導体を除去し、配線を一括で形成可能です。量産においては最も一般的な工法です。エッチングにより形成した配線層の断面が台形になるため、微細なパターン形成や高周波基板に向かないこともあります。
配線以外の不要な銅箔を除去する基板加工機での配線形成方法は、ドライプロセスのサブトラクティブ法といえます。

アディディブ法は、あらかじめ配線部以外をマスキングし、銅めっきなどにより配線を形成します。ベース材料にシード層などを付与し、必要な厚みの配線を形成します。サブトラクティブ法と比較し、微細なパターン形成が可能と言われています。フルアディディブ法、セミアディディブ(SAP)法、モディファイドセミアディディブ(MSAP)法などの種類があります。

最近では、インクジェットやグラビアオフセットなどの印刷工法により配線を形成する例もあります。電子ペーパーや屈曲性のあるフィルムへの配線形成、人体センサやRFIDタグなどに応用されています。

<配線基板印刷キット>
弊社では、事務用インクジェットプリンタを使用した配線基板印刷キット『Jetサーキット』を取り扱っています。

プリンタカートリッジに導電性インクを充填し、パソコンから専用フィルムに配線を印刷します。熱焼成などの後処理が不要で、低コストかつ短時間で電子回路を印刷します。


導電性接着剤を使用して部品を実装することも可能です。また、手書きで任意の形状の配線を描くことができる『配線ペン』も取り扱っています。

 
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